このページの結論
代金を分けて受け取ると、契約書の書き方の前に、守る法律が変わります。
自分で月払いを受け取る場合と、クレジット会社が間に入る場合では、負う義務が違います。
前者は書面での催告と精算額の上限が、後者は書面の交付と支払停止の抗弁が、契約書の中身を左右します。
あなたはどれ? 代金の受け取り方で見る
| 場面 | 当てはまるもの | 用意すること |
|---|---|---|
| 受講者から直接、月払いで3回以上、2か月以上かけて受け取る | 自社の分割(割賦販売法2条1項1号)。役務の内容が政令の指定役務に当たるときに対象 | 条件の表示、契約書面、書面での催告、解約時の精算の上限を契約書に反映する |
| 提携の分割決済やローンで、クレジット会社から代金を受け取る | 個別信用購入あっせん(同条4項) | 提供者も書面を交付する。撤回・取消し・支払停止の抗弁に備えて返金条項を整える |
| 受講者のクレジットカードで、分割・リボ払いにしてもらう | 包括信用購入あっせん(同条3項) | 請求はカード会社が行う。受講者がカード会社に主張できる事由を想定して運用する |
| 一括払い、または2回払い以内・2か月以内の支払 | 自社の分割には当たらない | 自社の分割の規定は及ばない。解約・返金は、通常の契約書の定めと消費者契約法9条で点検する |
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結論:分割払いは、誰が代金を分けて受け取るかで決まる
高額なコースは、一括で払えない人のために、分割で売られることが多くあります。分割は受講者の助けになります。他方、提供者にとっては、契約書の書き方を左右する選択です。
同じ「月払い」でも、提供者が自分で受け取る月払いと、クレジット会社が代金を立て替える月払いでは、適用される規定が違います。前者では割賦販売法の第3条から第6条が、後者では同法の第35条の3の2以下が問題になります。
このページは、分割の仕組みごとに、契約書のどの条項が書き換わるのかを整理します。条文は2026年10月23日に、e-Gov法令検索で確認しました。
- 自社の分割は、2か月以上かつ3回以上の分割が要件であり、役務が政令の指定役務に当たるときに対象になる。
- 技芸または知識の教授は指定役務の一つである。セッションに教える要素があれば、自社の分割は対象になり得る。
- 自社の分割では、支払の遅れを理由にした解除や残額の請求に、20日以上の期間を定めた書面での催告が要る。
- クレジット会社が入る分割では、提供者にも書面の交付義務があり、受講者は提供者への主張をクレジット会社に対抗できる。
分けて受け取る仕組みは、大きく三つある
分割払いと一口に言っても、代金を受け取る相手が違えば、根拠になる条文も、提供者の義務も変わります。次の表は、三つの仕組みを並べたものです。
代金を分けて受け取る三つの仕組み
| 仕組み | 代金の流れ | 主な条文 | 提供者に関わること |
|---|---|---|---|
| 自社の分割 | 受講者が、提供者に直接、月ごとに支払う | 割賦販売法2条1項1号、3条から6条 | 条件の表示、契約書面の交付、書面での催告、解除時の精算額の上限 |
| 個別クレジット(提携ローン・分割決済) | クレジット会社が提供者へ代金を交付し、受講者はクレジット会社へ分割で支払う | 同法2条4項、35条の3の2、8、10、13、19 | 取引条件の表示、書面の交付、撤回・取消しに伴う返還、支払停止の抗弁への備え |
| カードの分割・リボ払い | カード会社が代金を提供者に交付し、受講者はカード会社へ支払う | 同法2条3項、30条の2の3、30条の4 | 書面の交付を求められたときの対応、支払停止の抗弁への備え |
一つ目の要件は、条文の言葉で決まります。割賦販売とは、代金を2か月以上の期間にわたり、かつ3回以上に分割して受領することです(割賦販売法2条1項1号)。
この条文に、分割に手数料を付けるかどうかの要件はありません。手数料を付けない分割でも、期間と回数の要件を満たせば、割賦販売に当たります。
反対に、2回払いにした場合や、2か月以内に払い終える場合は、この要件を満たしません。着手金と残金の2回払いは、この意味の割賦販売ではありません。
自社で分割を受け取る:対象になるのは「指定役務」のとき
自社の分割がすべて規制の対象になるわけではありません。対象になるのは、政令で定める指定役務を、分割の条件で提供する場合です(同法2条5項)。
指定役務は、施行令の別表第一の三に列挙されています。エステ、語学の教授、入試対策の学力の教授、パソコンの操作の教授、結婚相手の紹介などが並びます。
その最後の十一号に、「技芸又は知識の教授」があります。ただし、五号から八号に掲げるものは除かれます。この十一号が、列挙されていない教授の役務を広く受け止める定めになっています。
では、コーチングやカウンセリングは、この十一号に当たるのでしょうか。条文だけでは、線は引けません。当たるかどうかは、セッションの中身で見ることになります。
本人の考えを引き出す対話が中心であれば、知識や技能を教える役務とは言いにくい面があります。他方、営業の技法、話し方、資格試験の勉強法などを教える要素が混ざれば、教授の役務と見られる余地が出ます。
契約書の作成の段階では、「当たらないはず」と決め打ちしないことが、安全な進め方です。教える要素のある設計なら、当たる前提で書面と条項を整えます。
セッションの中身と、十一号の当てはめの見方(目安)
| セッションの中身 | 見方 | 書類の組み立て |
|---|---|---|
| 悩みの整理や気持ちの傾聴が中心 | 教授の役務とは言いにくい面がある。ただし、教える要素がないかを確かめる | 分割の規定に沿った条項を、念のため入れておく |
| 目標の設定と行動の振り返りが中心 | 支援の役務である一方、手法を教える場面が混ざることがある | 教える場面の有無を、申込み前に確認して記録する |
| 話し方、営業、副業の手順などを教える | 技芸または知識の教授に当たる余地が大きい | 当たる前提で、表示・書面・催告・精算を整える |
| 語学、入試対策、パソコン操作を教える | 十一号ではなく、五号から八号の各号で見る | 各号の要件を、別に確認する |
この表は目安であり、結論ではありません。同じ名称のコースでも、実際の進め方で当てはめが変わります。
自社の分割で、契約書に反映すること
指定役務に当たる場合、提供者は四つの場面で規定を受けます。契約の前の表示、契約後の書面、遅れたときの催告、解除や遅れのときの精算額の上限です。
自社の分割の流れと、規定が働く場面
- 1 契約の前:条件の表示(3条)現金提供価格、割賦提供価格、支払の期間と回数、手数料の料率などを、相手方に示す。広告でも同じ事項を表示する。具体の方法は省令で定められている。
- 2 契約の後:書面の交付(4条)遅滞なく、割賦提供価格、賦払金の額、支払の時期と方法、役務の提供時期、契約の解除に関する事項などを記載した書面を渡す。
- 3 支払が遅れたとき:書面での催告(5条)20日以上の相当な期間を定めて、支払を書面で催告する。その期間内に払われないときでなければ、遅れを理由とする解除や残額の請求ができない。
- 4 解除や遅れのとき:精算額の上限(6条)違約金や損害賠償の予定があっても、条文の定める額を超えて請求できない。
電磁的方法で書面に代えるときは、あらかじめ受講者の承諾を得る必要がある(同法4条の2、施行令2条)。承諾は、書面を送る前の申込みの段階で取る設計が、順序として安全である。
契約の前の表示に出る「現金提供価格」は、契約と同時に対価の全額を受け取る場合の価格です(同法3条1項1号)。「割賦提供価格」は、分割の方法で提供する場合の価格です(同項2号)。
分割だと金額が高くなる設計なら、この二つの価格を分けて決めておく必要があります。一括の価格と分割の総額が同じなら、差はゼロになります。差があるなら、その理由を説明できる形にします。
催告の定めは、契約書の期限の利益喪失条項を変える
契約書によく置かれる条項に、「一度でも支払が遅れたら、残額を直ちに一括で支払う」というものがあります。いわゆる期限の利益の喪失の条項です。
自社の分割が指定役務に当たるときは、この条項をそのままでは使えません。割賦販売法5条1項は、まず書面で催告することを求めます。催告では、20日以上の相当な期間を定めます。その期間内に払われないときでなければ、解除も残額の請求もできません。
同条2項は、これに反する特約を無効としています。契約書で「催告なしに直ちに」と書いても、書いた部分は効力を持ちません。
書き方の例(一般的な例) 支払が遅れたときの条項
残額の請求
理由割賦販売法5条1項が、催告を20日以上の期間と書面に限っている。反する特約は同条2項で無効になる。
催告の方法
理由5条は、催告を「書面で」と定める。電磁的方法を含むと読める根拠は、条文から確認できなかった。
この催告の規定は、解除のためのものです。支払を促す連絡まで禁じるものではありません。ただし、残額の請求や解除に進む前の手順として、書面での催告を組み込んでおく必要があります。
解約や遅れのときの精算額には、上限がある
もう一つ、契約書の条項が影響を受けるのが、解約したときの精算です。自社の分割で、契約が解除された場合は、割賦販売法6条1項が、請求できる額の上限を定めます。
開始後に解除された場合の上限は、提供済みの役務の対価に相当する額に、割賦提供価格と現金提供価格の差額を足した額です。これに法定利率の遅延損害金が加わります(同項5号)。
役務の提供の開始前に解除された場合は、契約の締結と履行のために通常要する費用の額が上限になります(同項3号)。
この上限には、解約手数料を上乗せする枠が見当たりません。同条1項6号には、損害額を加える定めがあります。しかし、これは特定継続的役務に当たる場合に限られる定めです。
ですから、「中途解約なら未提供分の代金から解約手数料を引く」という設計は、そのままでは使えないことがあります。
支払が遅れた場合の上限も、別に定められています。解除されない場合の損害賠償は、割賦提供価格から既払の賦払金を引き、法定利率の遅延損害金を足した額までです(同条2項)。
法定利率は、民法404条2項が年3パーセントと定めています。ただし、同条3項から5項により、3年を一期として見直される仕組みです。契約書には年率の数字を固定せず、「法定利率」と書く方が、改正や変動に対応できます。
精算額の上限の計算例(説明のための仮の数字)
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| コースの内容 | 6か月のコース。現金提供価格は360,000円、割賦提供価格は396,000円、月66,000円の6回払い |
| 解除の時点 | 3か月分の提供を終え、3回分(198,000円)を受け取った時点で、受講者が解除した |
| 提供済みの役務の対価 | コースを月ごとに按分する場合は、360,000円の半分で180,000円 |
| 割賦提供価格と現金提供価格の差額 | 396,000円から360,000円を引いた36,000円 |
| 請求できる額の上限 | 180,000円に36,000円を足した216,000円。これに法定利率の遅延損害金が加わる。受け取った198,000円との差は18,000円 |
この計算は、提供済みの役務の対価を月ごとに按分した場合の例です。対価の算定の仕方は、役務の中身によって変わります。契約書には、算定の方法をあらかじめ書いておく必要があります。
上限を超える条項は、超える部分を請求できません。上限に収まる定めにしておけば、解除の場面で争いが小さくなります。
書き方の例支払遅延の遅延損害金(自社の分割の場合)
- 乙が賦払金の支払を遅延したときは、甲は、乙に対し、割賦販売法の定める範囲内で、法定利率による遅延損害金を請求できる。
- 前項の請求は、割賦提供価格から既に支払われた賦払金の額を控除した額を超えない範囲で行う。
年率を固定する書き方は、割賦販売法の上限と食い違うおそれがある。上の例は、条項の考え方を示すもので、契約書の全文ではない。
クレジット会社が入る分割:提供者にも書面と抗弁の規定が及ぶ
提携ローンや分割決済の仕組みを使って、クレジット会社が代金を提供者に交付する場合は、「個別信用購入あっせん」と呼ばれます(割賦販売法2条4項)。条文を見ると、ここで対象になる役務は、指定役務に限られていません。
自社の分割では、役務が指定役務に当たるかどうかが入口でした。しかし、個別クレジットの定義には、指定役務という言葉がなく、役務の対価を分けて受領する仕組みが広く対象になります。教える要素が薄いコーチングでも、個別クレジットを使うなら、この節の規定を確かめる必要があります。
この仕組みでは、クレジット会社とは別に、提供者自身にも義務が生じます。
- 取引条件の表示:現金提供価格、支払総額、支払の期間と回数、手数料の料率などを示す(35条の3の2)。
- 書面の交付:契約後、遅滞なく、役務の種類、支払総額、各回の支払額と時期、提供時期、解除に関する事項などの書面を渡す(35条の3の8)。
- 申込みの撤回等:営業所等以外での申込みや、電話勧誘の顧客からの郵便等による申込みなどでは、書面で撤回や解除ができる(35条の3の10)。
- 取消し:訪問販売や電話勧誘販売の勧誘で、支払総額などを事実と異なって告げられたときは、申込みを取り消せる(35条の3の13)。
- 抗弁の接続:受講者は、提供者に対して生じている事由を、支払を請求するクレジット会社に主張できる(35条の3の19)。
撤回等の期間は、原則として、法定の書面を受け取った日から8日です(35条の3の10第1項)。期間の起算点は書面の受領ですから、書面を渡していなければ、期間は進みません。
撤回等があった場合、提供者は、クレジット会社から交付を受けた代金を返さなければなりません(同条8項)。また、役務をすでに提供していても、対価その他の金銭の請求ができない場面があります(同条11項)。
抗弁の接続は、支払総額が政令で定める額に満たない場合には適用されません。個別クレジットの政令の額は、4万円です(施行令26条)。高額なコースは、この額を大きく超えることが通常です。
契約書の返金条項と、クレジット会社への支払停止の抗弁とは、別の筋道です。提供者との間で返金の条件を定めていても、受講者はクレジット会社に対して、提供者への主張を理由に支払を拒める場面があります。
実際の紛争で問われた点:東京都のあっせん解決
実際の紛争から、何が問われるかを見ておきます。東京都は2024年2月15日、「インフルエンサー養成講座契約に係る紛争」の解決を発表しました。都の消費者被害救済委員会のあっせんによる解決です。コーチングの事案ではありません。しかし、分割払いの仕組みと書面の整備が問われた事案として、参考になります。
東京都の報道発表(2024年2月15日)に基づく事案の整理
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 勧誘の経緯 | 20歳代の男性が、SNSのメッセージを受け、ウェブ会議で講座を勧められた |
| 契約と支払 | 講座料金は約80万円。個別クレジットの月約3万円・36回払いで、手数料を含む総額は約100万円。契約時に総額は説明されなかった |
| 解約の申出 | 1か月後に解約を申し出たが、事業者は引き止め、クレジットの支払は続いた。入会金(講座料金の8割)は返金されないと主張された |
| 委員会の判断 | 電話勧誘販売に当たる。販売会社とクレジット会社が交付した契約書面は、法定の記載事項を満たしていない。クーリング・オフが認められた |
| 結果 | クレジット会社は既払金を返金することになり、当事者三者で合意が成立した |
この事案から読み取れるのは、三点です。一つ目は、総額を契約の前に示していなかったことが問題になった点です。二つ目は、販売会社とクレジット会社の双方の書面が、法定事項を欠いていた点です。
三つ目は、事業者の側が「入会金は返さない」と主張しても、書面の不備があれば、契約書の定めどおりには進まなかった点です。コーチングの契約が、同じ結論になるわけではありません。当てはめは、勧誘の経緯と、書面の中身で決まります。
申込み画面と広告に載せる事項
分割で売る場合は、条文が、広告にも条件を表示することを求めています。自社の分割は割賦販売法3条4項が、個別クレジットは35条の3の2第2項が定めます。
示す事項は、二つの仕組みでほぼ重なります。現金提供価格、支払総額(個別クレジットの場合)または割賦提供価格(自社の分割の場合)、支払の期間と回数、手数料の料率です。
月々の金額だけを大きく見せて、総額や回数を小さくしか示さない画面は、この趣旨に合いません。東京都の事案でも、総額が契約時に説明されなかった点が問題にされました。
申込み画面を作る前の確認の問い
問い月々の金額と同じ大きさで、支払総額と回数を表示しているか
理由総額を契約の前に示すことが、条文の求める表示の中心だから
問い一括払いの価格と、分割の価格の両方を載せているか
理由現金提供価格と、割賦提供価格または支払総額を示す定めがあるから
問いクレジット会社の審査があることと、通らない場合の扱いを書いているか
理由審査に通らない場合の流れは、受講者の判断に影響するから
問い解約と撤回の案内を、申込み画面から読める場所に置いているか
理由契約の解除に関する事項が、書面の記載事項になっているから
場面別に見る:起きたときの手当て
分割払いで起きる四つの場面
受講者が3回目から支払わなくなった
起きがちなこと契約書の「期限の利益の喪失」を根拠に、残額を一括で請求する通知を送る
手当て自社の分割で指定役務に当たるなら、まず書面で催告し、20日以上の期間を置く。期間内に払われないときに、残額の請求や解除へ進む
6か月のコースを、3か月で解約したいと言われた
起きがちなこと未提供分の代金から、解約手数料を引いて精算する
手当て自社の分割なら、精算額に上限があり、手数料を上乗せする枠は条文に見当たらない。クレジットが入る場合は、クレジット会社との精算も考える
ウェブ会議の個別面談で勧め、提携ローンで契約した
起きがちなこと契約書は渡したが、ローン側の書面は任せきりにした
手当て提供者にも書面を交付する義務がある。勧誘の仕方によっては、撤回や取消しの対象になる。勧誘の経緯を記録しておく
提供者の都合で、セッションが続けられなくなった
起きがちなこと未実施の回は、後日の振替で済ませる
手当て受講者は、提供者に生じた事由をクレジット会社に主張できる。未実施分の扱いを、契約書で先に定めておく
どの場面も、当てはめは勧誘の経緯、役務の中身、書面の交付の有無で決まる。ここに示したのは、一般的な整理である。
売る前に整える:分割を使うときの手順
分割を使ってコースを売るときの手順
- 1 仕組みを決める自社で受け取るのか、クレジット会社を入れるのか、カード払いだけにするのかを決める。仕組みごとに、必要な書面が違う。
- 2 価格を決める一括の価格と、分割の総額を決める。差がある場合は、手数料の料率と総額を、申込みの前に示せるようにする。
- 3 申込みの画面と広告を整える分割で払えることだけでなく、支払の回数、期間、総額を同じ画面に表示する。
- 4 契約書を仕組みに合わせる支払の遅れ、解除、精算の条項を、仕組みごとの上限と催告の定めに合わせる。
- 5 書面を渡す契約後、遅滞なく、法定の事項を記載した書面を渡す。電子的に渡すなら、事前の承諾を取る。
- 6 申出の受付を決める撤回・解除・返金の申出を、受け付ける窓口と記録の方法を決める。
例外と細かい条件
このページは、自社の分割と個別クレジットを中心に整理しました。次の点は、本ページでは確認していません。
第一に、表示事項の細かい内容です。条文は、手数料の料率の算定方法などを、省令に委ねています。省令の条文は、今回は確認していません。実際に表示を作るときは、省令を直接確認してください。
第二に、役務の提供の前に、代金を分割で全額受け取る設計の扱いです。この場合に割賦販売に当たるかどうかは、条文の言葉から確認できませんでした。このページでは、結論を出していません。
第三に、特定継続的役務提供に当たるかどうかです。この判断は、特定商取引法の別の問題であり、分割の規定とは別に確認します。割賦販売法6条1項6号のように、両者がつながる規定もあります。
分割の規定に当たらない場合でも、他の規定は残ります。契約書の解約と返金の条項は、消費者契約法9条の平均的な損害の考え方で点検します。広告や説明の食い違いは、別のページで扱っています。
起きがちなこと
- 契約書に「催告なしに残額を一括請求する」と書き、自社の分割で、その条項が無効になる可能性に気づかない。
- 「クレジット会社の分割だから、自社には義務がない」と考え、書面を渡していない。
- 申込み画面に、月々の金額だけを大きく表示し、支払総額や回数を示していない。
- 解約手数料を差し引く設計にして、自社の分割の受講者に、上限を超えて請求する。
- クレジットの支払停止の抗弁を知らず、返金条項だけで受講者との関係が決まると考える。
根拠・出典
- 割賦販売法(昭和36年法律第159号)2条1項・3項・4項・5項、3条、4条、4条の2、5条、6条、30条の2の3、30条の4、35条の3の2、35条の3の8、35条の3の10、35条の3の13、35条の3の19。e-Gov法令検索(法令API)で2026年10月23日に確認。
- 割賦販売法施行令(昭和36年政令第341号)2条、21条、26条、別表第一の三。e-Gov法令検索(法令API)で2026年10月23日に確認。
- 民法(明治29年法律第89号)404条。e-Gov法令検索(法令API)で2026年10月23日に確認。
- 東京都 報道発表「『インフルエンサー養成講座契約に係る紛争』のあっせん解決」(2024年2月15日、生活文化スポーツ局)。2026年10月23日に確認。
よくあるご質問
コーチングの代金を月払いにすると、割賦販売法の対象になりますか?
分割が2か月以上かつ3回以上であり、役務が政令の指定役務に当たるときに、自社の分割は対象になります。指定役務の十一号は、技芸または知識の教授を挙げています。セッションに知識や技能を教える要素があれば、当たる余地があります。悩みの傾聴が中心でも、教える要素の有無を確かめてください。
着手金と残金の2回払いにしても、規制を受けますか?
自社の分割の要件は、2か月以上かつ3回以上です。2回払いは、この要件を満たしません。ただし、クレジット会社が入る仕組みは、別の条文で見ます。
支払が遅れたら、すぐに残額を請求する条項を入れてよいですか?
自社の分割が指定役務に当たるときは、入れられません。割賦販売法5条は、20日以上の相当な期間を定めた書面での催告を求めており、反する特約は無効です。催告の手順を、条項に組み込んでください。
クレジット会社の分割なら、提供者は何もしなくてよいですか?
そうはなりません。個別クレジットでは、提供者にも、取引条件の表示と書面の交付の義務があります。受講者は、提供者に対して生じている事由を、クレジット会社にも主張できます。
契約書に返金しないと書いてあれば、クレジット会社への支払停止は防げますか?
防げるとは言えません。返金条項と支払停止の抗弁は、別の筋道です。契約書の定めだけで、受講者の主張が封じられるわけではありません。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、セッションの内容・申込みの経緯・支払の方法などによって異なることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 厚生労働省