このページの要点
- 申出は、契約上の中途解約、任意の返金、取消しや条項の無効、債務不履行による解除、特定商取引法に基づく解除のどれか(または複数)に仕分ける。
- 受付の日に、申出の原文、対象の契約、提供の実績を記録し、事実と評価を分ける。回答は、根拠を示して書面で行う。
- 満足度や成果を理由とする返金に限って免責し、約束した履行と説明の正確さの責任は残す。違約金は、解除の時期ごとの区分と算定の根拠を用意する(消費者契約法9条1号・2項)。
- 「コーチング」という名称では特定継続的役務提供かどうかは決まらず、指定された役務(語学の教授など、特定商取引法施行令別表第四)に当たる内容を含む場合に問題になる。判定は提供内容、期間、金額の順に行う。
結論:「やめたい」「効果がない」は、まず制度ごとに仕分けてから答える
受講者から「やめたい」「効果がなかった」「返金してほしい」と言われたとき、提供者がまずやるべきことは、返金するかしないかを決めることではなく、その申出がどの制度の話なのかを仕分けることです。同じ「返金してほしい」でも、契約書にある中途解約の話なのか、契約書には定めがなく任意に応じるかどうかの話なのか、法律が認める解除や取消しの話なのか、提供者の履行が約束どおりでなかったことへの責任の話なのかで、答え方が変わります。仕分けをしないまま「契約書にそう書いてあるので」と答えると、相手の申出の中に法律上の根拠がある場合に、それを見落とすことになります。
申出は、おおむね次の五つの制度のどれか、または複数にまたがります。契約書に基づく中途解約、民法が定める委任の解除、提供者の判断による任意の返金、消費者契約法などによる取消しや条項の無効、そして特定商取引法に基づく解除です。このうち特定商取引法に基づく解除は、サービスの内容と契約の条件がそれに該当するときに限って問題になります。
申出の言い方と、当てはまる制度(一般的な整理)
| 受講者の言い方 | 当てはまり得る制度 | 主な根拠 | 最初に確認すること |
|---|---|---|---|
| 「契約を終わりにしたい」 | 契約上の中途解約。契約に定めがなくても、準委任は各当事者がいつでも解除できる(損害賠償の問題は別) | 契約書の解約条項、民法651条1項・656条 | 解約条項の有無と内容、解約の通知方法、すでに提供した分と未提供の分 |
| 「お金を返してほしい」(理由は述べない) | 任意の返金、または契約書の精算条項 | 契約書の返金条項 | 返金条項の有無、返金できる範囲、提供済みの回数 |
| 「聞いていた内容と違う」「必ず変わると言われた」 | 取消し(誤認による)、債務不履行の問題 | 消費者契約法4条1項・2項、民法415条 | 申込み前の説明の記録(広告、面談、メッセージ)と、契約書の内容の食い違い |
| 「返金しないという条項はおかしい」「違約金が高い」 | 条項の無効、違約金の額の評価 | 消費者契約法8条・8条の2・9条・10条 | 条項の文言、解除の時期ごとの区分、算定の根拠 |
| 「約束した回数をやってくれない」 | 債務不履行による解除、損害賠償 | 民法541条、415条 | 約束した回数と実施した回数、未実施の原因、日程調整の記録 |
| 「クーリング・オフしたい」 | 法定の解除(該当する場合のみ) | 特定商取引法48条など(特定継続的役務提供に該当する場合) | 提供する内容が指定された役務に当たるか、期間と金額、書面の交付の有無 |
この表の右から二列目の「当てはまり得る」という言い方は意図的です。申出の言葉は、制度の名前とは関係なく、感情の言葉で出てきます。受け手は、言葉をそのまま受け取るのでなく、その背後にある事実を確かめ、制度に当てはめます。
受付の記録:申出を受けた最初の日にやること
申出を受けた日に、提供者がやるべきことは、記録です。後から説明を求められたとき、あるいは紛争になったとき、記録がなければ、提供者の主張を裏付ける材料がありません。記録は、受講者を責めるためでなく、事実を正確に残すためのものです。「事実」と「評価」を分けて書くことが要点です。
申出を受けたときの流れ(一般的な例)
- 申出の原文を残すいつ、どの手段で、誰が、何と言ったか。メッセージであれば原文をそのまま保存する。要約や感想を混ぜない。
- 対象の契約を特定する契約の締結日、コース、期間、回数、代金、支払の状況。更新を重ねているなら、どの更新期間の話か。
- 提供の実績を整理するすでに実施した回数、日付、未実施の回とその原因(受講者の都合か、提供者の都合か、不可抗力か)。
- 申出を制度ごとに仕分ける前の表に当てはめ、複数の制度にまたがる場合は、それぞれに分けて整理する。
- 契約書と説明の記録を確認する契約書の条項、申込み前の広告や面談の説明、体験セッションでのやり取り。
- 回答の方針を決め、書面で答える応じる範囲、応じない部分とその理由を、根拠の条項や法律とともに文章で示す。口頭だけで済ませない。
申出の原文と、提供の実績の記録が、その後の回答の根拠になります。記録は、受付の窓口を一つに決めておくと残しやすくなります。
セッションの途中で、受講者が深刻な状態を訴えたり、生命や身体に関わる発言をしたりすることがあります。解約や返金の話と同じ場面で出てくることもあります。このような発言があったときは、日時、発言の原文、そのときの提供者の対応、連絡した相手があればその相手を、事実のまま記録に残します。判断や評価は、事実と分けて書きます。具体的な対応の手順は、このガイドでは扱いませんが、記録を残す習慣があれば、後から振り返って説明することができます。
「効果がない」「満足できない」と言われたとき
コーチングやカウンセリングは、結果を約束するのでなく、支援そのものを約束する契約(準委任)です。契約書に成果を保証しないと書いてあるのも、そのためです。受講者が「効果がなかった」と感じたこと自体は、それだけでは提供者の債務不履行を意味しません。委任は、各当事者がいつでも解除することができ(民法651条1項)、準委任にも準用されます(656条)。解除そのものは理由を問われませんが、相手方に不利な時期に解除したときなどは、損害を賠償する責任が生じ得ます(651条2項)。受講者が「効果がないので解約したい」と言うとき、提供者の側は、満足の有無でなく、契約書の解約条項と、約束した履行の中身に沿って考えます。
他方、契約書に「満足度や主観的な評価を理由とする返金は一切行わない」と書いてあるからといって、あらゆる返金の申出を断ってよいことにはなりません。提供者が約束した回数や内容を実施しなかった場合、あるいは申込み前の説明が事実と異なっていた場合には、別の制度が働くからです。事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項は無効で(消費者契約法8条1項1号)、事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させる条項も無効です(8条の2)。また、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項は、無効とされます(10条)。
書き方の例(一般的な例) 満足度を理由とする返金の条項
満足度と返金
理由「一切の請求」と書くと、提供者の債務不履行や説明の誤りへの責任まで免れるように読める。成果や満足度に限った免責に絞り、約束した履行と説明の正確さは別に責任を負うことを示す。
提供者の事情による未実施
理由理由を問わず救済しないとする書き方は、提供者に責任のある未実施まで救済しないように読める。原因を区分して書く(期間と失効は回数と契約期間のページで整理)。
違約金や解約料の根拠を聞かれたとき
中途解約の際に、解約料や違約金を請求する条項があるとき、受講者から「なぜその金額なのか」と聞かれることがあります。消費者契約法は、消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項について、同種の消費者契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分を無効としています(9条1号)。そして、事業者は、消費者から説明を求められたとき、損害賠償の額の予定又は違約金の算定の根拠の概要を説明するよう努めなければなりません(同条2項)。努力義務ですが、請求する側が根拠を持っていないと、請求の正当性が揺らぎます。
算定の根拠は、解除の時期ごとの区分に応じて組み立てます。たとえば、セッションの前日までに解約された場合に生じる損害と、セッションの開始後に解約された場合に生じる損害とでは、事業者に生ずる平均的な損害の額が異なるはずです。提供済みのセッションの対価、確保していた日程の機会損失、すでに用意した資料の費用などを、区分ごとに整理しておきます。民法も、当事者が債務の不履行について損害賠償の額を予定でき(420条1項)、違約金は賠償額の予定と推定される(同条3項)としていますが、消費者との契約では、消費者契約法の上限が重ねて働きます。具体的な金額の設定は、契約の組み立てによって変わるため、このページでは扱いません。
解約料・違約金を請求する前の問い
問いその金額は、解除の時期ごとに区分されているか。
理由一律の金額だと、時期によっては平均的な損害を超える部分が出ます。時期の区分に応じた額にすることが、無効のリスクを下げます。
問い提供済みの対価と、解約料とを、二重に請求していないか。
理由提供したセッションの対価と、解約に伴う損害とは別のものです。同じ部分を二度請求していないかを確認します。
問い受講者から根拠を聞かれたとき、概要を説明できる資料があるか。
理由説明は努力義務ですが、根拠を持たない請求は、後の紛争で提供者に不利に働きます。
説明と違う、と言われたとき:取消しと債務不履行
広告や面談で「必ず変わります」「半年で収入が上がります」のような言い方をしていた場合、受講者が「聞いていた話と違う」と言って、契約の取消しを求めることがあります。消費者契約法は、事業者が勧誘をするに際して、重要事項について事実と異なることを告げ、それによって消費者が誤認して契約を結んだときは、消費者は取り消すことができるとしています(4条1項1号)。また、将来における価額、将来において消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供し、消費者がそれを確実だと誤認して契約したときも、取り消すことができます(同項2号)。コーチングの効果の言い方がこの規定に当たるかは、内容によって個別に判断が必要です。
さらに、消費者が利益になる旨を告げられ、かつ不利益となる事実を故意または重大な過失で告げられなかったために、その事実が存在しないと誤認して契約したときも、取り消すことができます(4条2項)。取り消された契約は初めから無効であったものとみなされ(民法121条)、すでに支払った代金の返還などが問題になります。取消権は、追認をすることができる時から1年間行わないとき、または契約の締結から5年を経過したときは、時効によって消滅します(消費者契約法7条1項)。
契約書に「本契約に定めのない説明や約束は効力を有しない」という条項(いわゆる完全合意条項)があっても、取消しの規定を排除することはできません。広告や面談での説明が強すぎれば、契約書の側でいくら成果を保証しないと書いても、説明のほうが問題になります。表現の類型と契約条項の食い違いは、「効果」の言い方のページで整理しています。
「コーチング」と名乗っても特定継続的役務提供に当たる場合:入口の判定
受講者から「クーリング・オフできるはずだ」と言われたとき、提供者の側が「コーチングだから関係ない」と考えていると、判断を誤ることがあります。特定商取引法が定める特定継続的役務提供の規制は、「コーチング」という名称では決まりません。サービスの中身が、政令で指定された役務に当たるかどうかで決まります。
特定継続的役務提供とは、役務提供事業者が、特定継続的役務を、それぞれの役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方が政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約を結んで行う役務の提供をいいます(特定商取引法41条1項1号)。ここでいう特定継続的役務は、国民の日常生活に係る取引で有償・継続的に提供される役務のうち、身体の美化又は知識若しくは技能の向上その他心身又は身上に関する目的を実現させることで誘引が行われ、その性質上、目的が実現するかどうかが確実でないものとして、政令で定めるもの(同条2項)です。コーチングに近い性質を持つ要件が並んでいますが、最後に「政令で定めるもの」とされているため、指定された役務に限られます。
指定された役務と、期間・金額の基準は、特定商取引法施行令24条と別表第四に定められています。期間は別表第四の役務ごとの期間、金額は5万円とされています(同条1項・2項)。別表第四には、語学の教授(2月を超える期間)、学力の教授、電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授(2月を超える期間)などが並んでいます。コーチングという名称の契約でも、英語など語学の教授をセッションの内容に含む場合や、パソコンの操作の教授を含む場合には、これらに当たる可能性があります。複数の内容を組み合わせた契約で、どの部分がどの役務に当たり、期間と金額をどう数えるかは、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。
特定継続的役務提供に当たるかどうかの判定の順序(入口のみ)
- 契約に含まれる提供内容を書き出すセッションの名称ではなく、実際に提供する内容(助言、学習の指導、技能の教授など)を具体的に書く。
- 指定された役務に当たる内容があるか特定商取引法施行令の別表第四に挙げられた役務に当たる内容が含まれているかを確かめる。含まれていなければ、この規制の対象ではない。
- 提供の期間が基準を超えるか別表第四の役務ごとに定められた期間を超える期間にわたって提供することを約しているか。更新の見込みではなく、契約で約した期間で見る。
- 支払う金額が基準を超えるか政令で定められた金額(5万円)を超える金銭を支払うことを約しているか。
- 適用除外に当たらないか営業のために又は営業として契約する者との契約などは、この規制の対象から除かれる(50条1項)。
- 該当する場合の対応概要書面と契約書面の交付(42条)、書面の受領日から起算して8日以内の解除(48条1項)、将来に向かっての中途解約(49条1項)が問題になる。書面の作り方と精算は、別のガイドで扱う。
申込みの経緯(訪問、電話など)によって、別の取引類型の規制が働くこともあります。これも別のガイドで扱います。
注意したいのは、契約書に「本サービスは特定継続的役務提供に該当しない」と書くだけでは、判断は変わらないことです。特定継続的役務提供等契約の解除に関する規定に反する特約で、受領者に不利なものは、無効とされています(48条8項)。該当しないという判断は、提供内容、期間、金額を実際に当てはめた結果として下すもので、契約書の文言で決まるものではありません。
よくある質問
コーチやカウンセラーを名乗るのに、資格は必要ですか。
公認心理師でない者は、公認心理師という名称を使えず、名称中に「心理師」の文字を用いることもできません(公認心理師法44条)。キャリアコンサルタントでない者は、その名称またはこれに紛らわしい名称を用いてはなりません(職業能力開発促進法30条の28)。他方、「コーチ」「カウンセラー」という呼び名そのものを一律に制限する定めは、条文で確認できた範囲ではありません。詳しくは名乗り方のページで整理しています。
受講者から録音させてほしいと言われたら、どうしますか。
契約書に、録音を禁止するのか、自己の学習のためだけに認めるのか、認める場合の条件を書いておくのが基本です。口頭の許可は、後から「許可した」「していない」の争いになります。提供者が録音する場合は、事前の告知と目的の明示が必要です。詳細は記録のページで整理しています。
未成年の契約は、どう扱いますか。
未成年者が法定代理人の同意を得ずにした契約は、取り消すことができます(民法5条2項)。保護者が契約者になるか、保護者の同意を書面または電子的な方法で記録しておきます。保護者への報告の範囲も、契約時に決めておきます。詳しくは費用を負担する人と受ける人が違うときで扱っています。
受講者の体験談を載せてよいですか。
体験談を載せるには、本人の同意が必要です。個人が特定されないようにしても、職業や地域、時期から分かることがあります。載せる内容が、成果を保証しないという契約書の定めと食い違わないかも確認します。表現の問題は「効果」の言い方のページで整理しています。
更新を止めたいと言われたら、いつまでに受ければよいですか。
更新を拒否する通知の期限は、契約書に定めた日です。その期限の定め方が受講者に不利に過ぎないか、期限を過ぎた申出をどう扱うかを、契約書に書いておきます。更新後の条件の変更や、申込最終画面の表示の考え方は月額・自動更新のページで整理しています。
期間内に使い切れなかったセッションは、どうなりますか。
契約書に、期間満了での失効の定めがあれば、受講者の都合で消化されなかった回は失効するのが基本です。他方、提供者の都合や不可抗力で実施できなかった回は、振替や返金で対応する区分が必要です。回数と契約期間のページで整理しています。
「家族に私の相談内容を話したのではないか」と言われたら、どうしますか。
まず、事実を確認し、いつ、誰に、何を伝えたかを記録で確かめます。守秘条項で守る対象と、例外として開示できる場面に照らして答えます。支払う人が家族でも、相談内容を共有してよいことにはなりません。根拠は守秘義務の根拠のページで整理しています。
契約書に「返金しない」と書いてあれば、すべて断ってよいですか。
断れるとは限りません。提供者の債務不履行による責任を全部免れる条項(消費者契約法8条1項1号)や、解除権を放棄させる条項(8条の2)は無効で、消費者の利益を一方的に害する条項も無効とされます(10条)。成果や満足度を理由とする返金に限って免責し、約束した履行や説明の正確さの責任は別に残す書き方が安全です。
途中で解約された場合、残りの回数分の料金は全額請求できますか。
契約書の定めと、解除の時期によります。委任は各当事者がいつでも解除できますが、相手方に不利な時期の解除などは損害賠償の問題になり得ます(民法651条2項)。消費者との契約では、解除に伴う違約金が平均的な損害の額を超える部分は無効です(消費者契約法9条1号)。未実施分の精算の計算方法は、契約の組み立てで変わるため、このページでは扱いません。
体験セッションを受けた後に契約した場合も、同じ扱いですか。
体験セッションと本契約は、別の契約として整理するのが基本です。体験での説明が本契約に影響することもあります。無料体験、有料体験、紹介特典、出張費の定め方は体験・特典・実費のページで整理しています。
連絡が取れなくなった受講者の契約は、どうなりますか。
契約が続いているのか、期間満了で終わったのかは、契約書の期間と失効の定めで決まります。連絡の試みと日程の提案を記録に残し、提供者の側が履行の準備をしていたことを示せるようにしておきます。
「効果があると言われた」と受講者が言い、記録がない場合は?
説明の記録がないと、事実の確認が難しくなります。申込み前の広告、面談の資料、メッセージを保存しておく運用にします。記録がないことで提供者に不利になる場面を避けるため、説明の内容を契約書や申込書に反映させておきます。
起きがちなこと
解約・返金・苦情への対応で起きがちなこと
- 申出を受けて、すぐに「契約書に返金しないと書いてあります」と答え、申出の背後にある説明の食い違いや、未実施の回への対応を確かめていない。
- 申出の原文を残さず、後から「言った」「言わない」の争いになる。
- 「満足できなかった」という申出と、約束した回数が実施されていないという申出を、同じものとして扱ってしまう。
- 違約金を請求したが、解除の時期ごとの区分も算定の根拠も用意しておらず、説明を求められて答えられない。
- 契約書に「特定商取引法の適用はない」と書いて、該当するかの判断を済ませたことにしている。
- 語学の教授やパソコンの操作の教授を含むコースなのに、特定継続的役務提供の入口の判定をしていない。
- 深刻な発言があったとき、事実とそれに対する対応を記録に残さず、後から説明できない。
- 口頭で「大丈夫です」と答え、書面で回答していないため、応じる範囲が受講者と食い違う。
よくあるご質問
受講者から解約を申し出られたら、最初に何をしますか。
申出の原文、日時、手段を記録し、対象の契約と提供の実績(実施した回数、未実施の回とその原因)を整理します。そのうえで、契約上の中途解約、任意の返金、取消しや条項の無効、債務不履行、特定商取引法に基づく解除のどれの話かを仕分けます。返金するかしないかの判断は、その後です。
「満足できなかった」は、返金の理由になりますか。
満足度や成果が得られなかったことのみを理由とする返金は、成果を保証しない準委任の契約では、当然には認められません。ただし、約束した回数や内容が実施されていない、申込み前の説明が事実と異なっていたといった事情があれば、別の制度による対応が必要です。免責の条項を、満足度や成果に限って書くのが安全です。
解約料の根拠を聞かれたら、答えなければなりませんか。
消費者から説明を求められたとき、事業者は、損害賠償の額の予定又は違約金の算定の根拠の概要を説明するよう努めなければなりません(消費者契約法9条2項)。努力義務ですが、根拠を持たない請求は、後の紛争で不利になります。解除の時期ごとの区分に応じて、平均的な損害の額を整理しておきます。
コーチングの契約は、クーリング・オフの対象になりますか。
名称では決まりません。特定商取引法の特定継続的役務提供は、政令で指定された役務に当たる内容を、定められた期間と金額を超えて提供する契約に限られます(特定商取引法41条、同法施行令24条・別表第四)。語学の教授などを含む場合は該当し得るため、提供内容を書き出して当てはめます。該当しない場合でも、提供者の判断で任意に応じることは可能です。
「必ず変わると言われた」と言われたら、どうなりますか。
勧誘の際に、将来における変動が不確実な事項について断定的判断を提供したり、重要事項について事実と異なることを告げたりしていた場合、消費者は契約を取り消せることがあります(消費者契約法4条1項)。契約書で成果を保証しないと書いてあっても、説明のほうが問題になります。申込み前の広告、面談の資料、メッセージの記録を確認します。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、セッションの内容・申込みの経緯・支払の方法などによって異なることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 厚生労働省