セッションの記録・メッセージ・音声の扱い

提供者のメモや録音も、検索できる形で持てば個人情報です。何を記録し、いつまで持ち、どう開示し、いつ消すのかを契約で決めます。

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「私的なメモだから開示しない」と考えていると、本人から開示や削除を求められたときに、窓口も手順もないままになります。

このページの要点

  • 検索できる形で整理した記録は個人データ。提供者が開示や削除の権限を持つものは保有個人データとして、本人は開示(33条)、訂正等(34条)、利用停止等(35条)を請求できる。
  • 契約書に利用目的を書き(17条・21条2項)、相談内容に配慮が必要な情報が含まれ得ることへの同意を契約で得る(20条2項)。目的外の利用(事例や広告)には改めて同意が要る(18条1項)。
  • 受講者の録音・撮影・AI文字起こしは、全面禁止、全面許可、条件付き許可のどれかを決める。提供者の録音は、事前告知と目的の明示が基本(20条1項)。
  • フィードバックの保存責任を受講者に負わせる条項は、「一切責任を負わない」と書くと消費者契約法8条1項1号に触れるおそれがある。提供者の責任と受講者の責任を分け、再送の期限を示す。保存期間は種類ごとに決める(22条)。

結論:提供者のメモも録音も、検索できる形で持てば個人情報として扱う

セッションの記録は、提供者にとって仕事の道具です。何を話したか、前回の宿題はどうだったか、次に何を確認するかを、メモや録音、メッセージの履歴として残します。同時に、それは受講者の個人情報でもあります。氏名や連絡先だけでなく、相談内容、健康や家族の状況、感情の動きが含まれるからです。個人情報保護法の対象になるかどうかは、これらを個人情報データベース等(個人情報を検索できるように体系的に構成したもの)として事業に使っているかどうかで決まり(同法16条1項・2項)、取り扱う人数が少なくても、この要件に当たれば対象になります。

検索できる形で整理して持っている記録は、個人データです(同条3項)。さらに、提供者自身が、開示、内容の訂正・追加・削除、利用の停止、消去、第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有している個人データは、保有個人データと呼ばれ(同条4項)、本人は、開示(33条)、訂正等(34条)、利用停止等(35条)を請求できます。つまり、提供者が自分の仕事のために作った記録でも、受講者が「私に関する記録を見せてほしい」と求めたとき、法律上の手続に沿って答える必要が生じ得ます。

契約書に記録の条項を置く目的は、この請求を封じることではありません。何を記録し、何のために使い、いつまで持ち、どう開示し、いつ消すのか。これを先に決めて受講者に示し、後で揉めないようにすることです。録音を許すのか禁じるのか、メッセージが消えたときの責任はどうなるのかといった、記録をめぐる日常の取り決めも、同じ考え方で整理できます。

なお、個人データをどの外部サービスに預けているかといった、守秘の側面は守秘義務の根拠と例外で、契約全体の役割分担は全体像のページで整理しています。

何を記録しているのかを、まず種類ごとに棚卸しする

記録の条項を作る前に、自分が何を残しているのかを洗い出します。多くの提供者は、セッションのメモは取っている自覚があっても、メッセージアプリの履歴、決済の記録、受講者が提出した宿題の文章、録音を、「記録」として意識していません。しかし、本人から見れば、すべて自分に関する情報です。

提供者が持つ記録の種類と、扱いの考え方(一般的な整理)

記録の種類含まれやすい情報個人情報としての扱い契約書で決めること
セッションのメモ・記録相談内容、進捗、提供者の見立て、次回の課題検索できる形で管理していれば個人データ。保有個人データとして開示請求の対象になり得る記録の目的、保管場所、保管期間、開示の方法
録音・録画声、話した内容の全部同上。内容が全部残るため、取得の方法と目的を明示する録音する場合の事前告知、目的、保管期間、削除
メッセージの履歴日程調整、相談の続き、励ましの言葉連絡用に使うものでも、本人を識別できる形で整理していれば個人データ連絡手段、返信の目安、履歴の保管と削除
受講者の提出物宿題、記入シート、写真本人が書いたもの。返却や削除の対象になり得る提出物の取扱い、返却・削除の可否
申込み・請求・決済の記録氏名、連絡先、金額、日付契約の履行に必要な範囲で使い、保管する利用目的、保管期間、決済事業者との関係
フィードバック・音声資料提供者が受講者のために作った文章や音声本人に送付したものは、受講者側の保存の問題が生じる送付の方法、再送の可否、保存の責任の分担

この表で見ると、「記録」と一言でいっても、提供者の仕事のための記録と、受講者に渡すための資料とで、性質が違うことが分かります。前者は開示や削除の請求にどう答えるかが問題になり、後者は渡した後の保存の責任が問題になります。条文も、この二つを分けて書くと整理しやすくなります。

取得するときの利用目的と、相談内容の扱い

個人情報を取り扱うには、利用目的をできる限り特定しなければならず(個人情報保護法17条1項)、本人から契約書など書面で直接取得する場合は、あらかじめ本人に利用目的を明示する必要があります(21条2項)。契約書で受講者の氏名、連絡先、相談内容の概要を書面で受け取るときは、利用目的も契約書に書いて示します。提供者の利用目的を「営業のご案内」のような、提供者側の都合だけで書くと、セッションの実施やフィードバックの作成といった、本来の目的が抜け落ちます。

相談内容には、病歴、心身の状態、家族の事情などが含まれることがあります。個人情報保護法は、本人の病歴などが含まれる個人情報を要配慮個人情報と定め(2条3項)、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはならないとしています(20条2項)。何が要配慮個人情報に当たるかは、法律が政令に委ねている部分があり、セッションで聞く話のどこまでが該当するかは個別に判断が必要です。契約書では、相談内容に、健康や家族の状況など、取扱いに配慮が必要な情報が含まれ得ることを示したうえで、取得と利用についての同意を、契約の中で得ておくのが実務的です。

利用目的を変えるときにも注意が必要です。特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて、本人の同意なく個人情報を取り扱ってはなりません(18条1項)。たとえば、セッションの記録を、のちに事例集や広告の素材として使いたくなっても、契約時にその目的を示していなければ、改めて本人の同意が必要になります。

書き方の例記録の取扱い(第○条)

  1. 乙は、セッションの実施、フィードバックの作成、日程その他の連絡、請求及び本契約の履行のために、甲の氏名、連絡先、相談内容、提出物及びセッションの記録(以下「記録」という。)を取得し、利用する。
  2. 記録には、甲が話した内容として、健康、家族、職業その他の取扱いに配慮が必要な情報が含まれることがある。甲は、乙がこれらを前項の目的の範囲で取得し、利用することに同意する。
  3. 乙は、記録を、前項の目的以外には利用しない。乙が記録を他の目的で利用しようとするときは、あらかじめ、その目的を示して甲の同意を得る。
  4. 乙は、記録を安全に管理し、第○条に定める期間を過ぎ、又は利用する必要がなくなったときは、遅滞なく消去する。

取得の目的、取扱いに配慮が必要な情報の同意、目的外利用の制限、保管と消去の四つを一つの条にまとめた例です。保管期間と消去は、後の節で整理します。

開示・訂正・削除を求められたとき

受講者から、「私についての記録を見せてください」「間違った内容を直してください」「契約が終わったので消してください」と求められる場面があります。保有個人データについては、これらは法律上認められた請求です。開示は33条、訂正・追加・削除は34条、利用停止・消去は35条が定めています。

開示の請求があったとき、提供者は、請求された方法により遅滞なく開示しなければなりません。ただし、開示することにより、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合、業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、他の法令に違反することとなる場合には、全部又は一部を開示しないことができます(33条2項各号)。開示しない決定をしたとき、または該当するデータが存在しないときは、本人に遅滞なくその旨を通知しなければなりません(同条3項)。

ここで、非開示にできる場面は、法律が理由を限定しています。提供者の記録の中に、本人以外の第三者(家族や職場の人)の情報が混じっていて、その開示が第三者の権利利益を害するおそれがあるときは、その部分を除いて開示する、という判断が現実的です。他方、「提供者の私的なメモだから開示しない」といった理由は、法律の限定した理由には入りません。契約書で、本人が法律上認められた請求を一切できないと書いても、その効力は確実ではありません。むしろ、請求を受けたときの窓口、本人確認の方法、回答までの目安を書いておくほうが、実際の運用を支えます。

開示・訂正・削除の請求を受けたときの流れ(一般的な例)

  1. 請求を受け付ける日時、原文、請求者を記録する。受付の窓口と方法(メール、書面など)を契約書に示しておく。
  2. 本人確認をする請求者が本人であることを確かめる。契約時に登録した連絡先を使うなど、無理のない方法にする。
  3. 対象の記録を特定するメモ、録音、メッセージ、提出物のどれが対象か。保有個人データに当たるものを洗い出す。
  4. 開示できない部分がないか確認する第三者の情報、提供者の業務の適正な実施への支障などを確認する。部分的に開示できる場合は、その部分を開示する。
  5. 回答する開示するか、開示しない旨を通知する。訂正・利用停止の請求には、必要な調査の後、実施した内容か、実施しない旨を通知する。
  6. 記録を残す請求と回答の日時、内容、根拠を、後から説明できる形で残す。

開示請求への備えを決める問い

  1. 問い受講者が「記録を見せてほしい」と言ったとき、誰が、どの手順で受け付けるか。

    理由窓口と手順が決まっていないと、請求が埋もれて、回答が遅れます。遅延そのものが紛争の火種になります。

  2. 問いメモの中に、家族や職場の人など第三者の情報が混じっていないか。

    理由開示するときに、第三者の部分を分けて扱う必要があります。記録の書き方を、第三者の情報を最小限にする形にそろえる手もあります。

  3. 問い録音を残している場合、受講者の請求に応じて、どの方法で開示するか。

    理由録音は内容が全部残るため、開示の方法(再生、書面化、電磁的記録の提供)と、第三者の声が入っていないかを、先に確認しておく必要があります。

受講者の録音・撮影・AI文字起こしを、禁じるか許すか

受講者が「あとで聞き返したいので録音させてほしい」と言う場面は、珍しくありません。反対に、提供者が品質向上や記録のために録音したいと考えることもあります。どちらの場合も、契約書に書いていなければ、その場の口頭のやり取りで決まり、後から「許可した」「していない」の争いになります。

受講者の録音を禁じる理由は、いくつか考えられます。提供者自身の声や発言が外に出ること、グループセッションでは他の参加者の声が入ること、提供者の教材やノウハウが複製されること、録音がSNSなどに投稿されることです。他方、受講者が自分の学びのために、自分の分だけを聞き返したいという要望には、一定の合理性があります。そのため、全面禁止と全面許可の中間に、条件付きで許す設計があり得ます。たとえば、1対1のセッションに限って、自分の学習のためだけに録音を認め、第三者への共有やSNSへの投稿は禁じる、という形です。

AIを使った文字起こしや要約を、受講者が自分のツールで行いたいと言う場合は、録音と同じ問題に加えて、提供者の音声や発言が外部のサービスに送られるという問題があります。許す場合は、そのサービスに送られる範囲と、他の参加者の声を含めないことを条件に、許否を決めます。提供者が文字起こしのサービスを使う場合の個人データの扱いについては、別のガイドで扱います。

書き方の例(一般的な例) 録音・撮影の条項

受講者の録音

よくある書き方セッションの全部又は一部を録音、録画、撮影してはならない。
整えた書き方甲は、乙の事前の書面又は電磁的記録による承諾なく、セッションを録音、録画又は撮影してはならない。乙は、甲が自己の学習のために1対1のセッションを録音することを認めることがある。この場合、甲は、録音を第三者に提供せず、公開せず、他の参加者の発言を含む録音を行わない。

理由全面禁止にして例外を黙認するのでなく、認める場合の範囲と条件を先に書く。承諾の方法を決めておけば、後から「許可した」という争いが減る。

提供者の録音

よくある書き方乙は、品質向上のため、セッションを録音することがある。
整えた書き方乙は、セッションを録音する場合は、あらかじめ、その目的、保管期間及び利用の範囲を甲に示し、甲の承諾を得る。甲は、承諾しないことを理由に不利益を受けない。

理由偽りその他不正の手段で個人情報を取得してはならない(個人情報保護法20条1項)。無断の録音を避け、事前告知と目的の明示を手順にする。

提供者が録音したデータは、録音の中に受講者の声と話した内容がすべて残ります。保有個人データに当たれば、開示の請求の対象になり得ます。録音を残すかどうか、残すならいつまで保管するかは、記録の中でも特に慎重に決める事項です。

フィードバックや音声資料の保存責任を、受講者に負わせてよいか

セッションのあとに、提供者がメッセージや音声資料を送ることがあります。このとき、契約書に、「送付したメッセージの保存・管理は受講者の責任で行い、端末やアプリの事情による消失について、提供者は一切責任を負わない」と書かれていることがあります。受講者が自分の端末で保存を怠った場合に、提供者に再送の義務を負わせない趣旨自体は合理的です。しかし、「一切責任を負わない」という書き方には、問題が生じます。

事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項は、消費者契約法8条1項1号により無効です。提供者がフィードバックを送らなかった、あるいは送ったつもりで送れていなかった場合でも、「消失については一切責任を負わない」と読める条項は、この規定に触れるおそれがあります。また、契約書ではなく規約として定型的に提示する場合、民法548条の2第2項は、相手方の権利を制限し義務を加重する条項のうち、信義則に反して相手方の利益を一方的に害するものについては、合意をしなかったものとみなすとしています。

整理の方法として、提供者の側の責任と、受講者の側の責任とを分けます。提供者は、約束した内容のフィードバックを、約束した方法で、約束した時期に送る責任を負います。送付した後の保存は、受講者が行います。ただし、提供者の送信の失敗や、提供者の側の事情で消えた場合は、提供者が再送する責任を負う。再送の期限(送付後一定期間)を設けることは、提供者にとっても予測可能で、受講者にとっても納得しやすい形です。

書き方の例(一般的な例) フィードバック・音声資料の保存の条項

保存と消失

よくある書き方フィードバックメッセージの保存・管理は甲の責任とし、消失について乙は一切の責任を負わない。
整えた書き方乙は、約束したフィードバックを、約束した方法で、セッション後の○日以内に送付する。送付後の保存は甲が行う。乙の送信の不備による場合、又は送付後○日以内に甲が再送を求めた場合は、乙は再送する。

理由提供者の責任の全部を免除する書き方は、消費者契約法8条1項1号に触れるおそれがある。提供者の責任と受講者の責任を分け、再送の期限を示す。

保存期間と契約終了後の削除、事例や感想の利用

記録をいつまで持つかは、条文に書くべき事項です。個人情報保護法は、利用目的の達成に必要な範囲で個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去するよう努めなければならないとしています(22条)。努力義務ではありますが、契約が終わったあとも記録を無期限に持ち続けると、必要がなくなった個人データを保管していることになり、漏えいの危険(23条の安全管理措置の対象)も大きくなります。

保存期間の決め方は、記録の種類で変えるのが現実的です。セッションのメモ、録音、メッセージ、提出物は、契約の終了後にフォローアップや再開のために一定期間残す場合を除き、できるだけ早く消去します。請求や決済に関する記録は、事務の都合で別の保管の理由があるため、記録の種類ごとに分けて期間を決めます。契約書には、「契約終了後○日(○年)経過したとき、又は甲から消去の請求があったときは、乙は記録を消去する」といった形で、消去の時期と請求の手続を書き、本人からの請求(35条)があったときの対応と整合させます。

提供者が、セッションの記録を、のちに事例や感想として使いたいと考えることもあります。事例集や広告、SNSなどでの利用は、契約時に示した利用目的の範囲に入らない限り、本人の同意が必要です(18条1項)。氏名を伏せても、職業や地域、出来事の時期などから本人が分かってしまうことがあり、匿名化の程度は慎重に決めます。契約に入れる場合は、事前に利用の範囲(内容、媒体、期間)を示して個別に同意を得る、同意しなくても不利益を受けない、同意を後から撤回できる、の三点を書いておきます。効果や感想の見せ方と契約書の成果非保証条項の食い違いについては、「効果」の言い方のページで整理しています。

締結前・見直し時のチェックリスト

  • メモ、録音、メッセージ、提出物、決済の記録を、種類ごとに洗い出している
  • 契約書に、記録の利用目的が、セッションの実施や連絡などの本来の目的を含めて書かれている
  • 相談内容に配慮が必要な情報が含まれ得ること、その取得への同意を契約で得ている
  • 開示・訂正・利用停止の請求の窓口と、手順、回答の目安を決めている
  • 受講者の録音・撮影を、禁止、許可、条件付き許可のどれにするかを書いている
  • 提供者が録音する場合、事前告知と目的の明示、保管期間を決めている
  • フィードバックの保存の責任を、提供者の責任と受講者の責任に分けて書いている
  • 契約終了後の消去の時期と、事例や感想の利用に同意を得る手順を決めている

起きがちなこと

記録の扱いで起きがちなこと

  • 提供者が、メモや録音を、個人情報という意識なく保管していて、受講者から開示や削除を求められたときに、窓口も手順もない。
  • 「提供者の私的なメモだから開示しない」と考え、法律が認める非開示の理由に当たるかを確認しないまま断っている。
  • 契約書の個人情報の利用目的が、提供者の営業連絡だけを想定した書き方で、セッションの実施やフィードバックの作成という本来の目的が抜け落ちている。
  • 受講者が録音を求めたときに口頭で許可し、あとで共有やSNSへの投稿が起きても、契約書に根拠がなく止められない。
  • 提供者が無断で録音していて、受講者から問われたときに、事前の告知も目的の説明もない。
  • フィードバックメッセージの消失について、契約書が「一切責任を負わない」と書いており、提供者の側の送信の失敗まで免責されるように読める。
  • 契約が終わったあとも、録音やメモを期限なく保管し続け、保管の理由も、消去の基準もない。
  • 事例や感想を、氏名を伏せただけで公開し、職業や時期から本人が特定できてしまった。

よくあるご質問

コーチのセッションのメモも、個人情報保護法の対象になりますか。

個人情報を検索できる形で整理して事業に使っていれば、個人情報データベース等として対象になり(個人情報保護法16条)、取り扱う人数の多少は関係ありません。メモも、本人を識別できる形で整理していれば個人データになり得ます。本人の請求(開示、訂正、利用停止など)にどう答えるかを、あらかじめ決めておく必要があります。

受講者から録音させてほしいと言われたら、断ってよいですか。

契約で禁止していれば、断ることができます。ただし、全面禁止にするか、自己の学習のためだけに1対1のセッションの録音を認めるかは、設計の問題です。認める場合は、第三者への共有やSNSへの投稿を禁じること、他の参加者の声を含めないこと、承諾の方法(書面か電磁的記録か)を、契約書に書いておきます。

提供者がセッションを録音するとき、受講者の同意は必要ですか。

偽りその他不正の手段で個人情報を取得してはならないため(個人情報保護法20条1項)、無断の録音は避けるべきです。事前に、録音の目的、保管期間、利用の範囲を示し、受講者の承諾を得る手順にします。承諾しない場合でも、サービスを受けられるようにしておくのが、安全な運用です。

契約が終わったら、記録はすぐ消さなければなりませんか。

利用する必要がなくなったときは、遅滞なく消去するよう努めなければなりません(個人情報保護法22条)。ただし、フォローアップや再開のために一定期間残す、請求や決済の記録は別の理由で残す、といった運用は可能です。記録の種類ごとに保管期間を決め、契約書に消去の時期と請求の手続を書いておきます。

メッセージアプリで送ったフィードバックが消えたら、再送の義務はありますか。

提供者の送信の失敗や、提供者側の事情で消えた場合には、再送する責任があると整理するのが基本です。受講者の端末の変更や削除による消失は、受講者の責任にしても合理的です。ただし、「消失について一切責任を負わない」と書くと、事業者の責任の全部を免除する条項として、消費者契約法8条1項1号により無効とされるおそれがあります。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、セッションの内容・申込みの経緯・支払の方法などによって異なることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 厚生労働省

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