このページの要点
- 効果表現は、変化・収入・転職・人間関係・心の状態・体験談・数字の類型に分け、根拠を示せるかを確かめる。
- 景品表示法5条1号の優良誤認と、根拠資料の提出を求める7条2項、課徴金の8条1項を押さえる。
- 勧誘時の説明が事実と異なる告知(消費者契約法4条1項1号)や断定的判断の提供(同項2号)に当たれば、契約を取り消され得る。
- 広告・LPと契約書を突合表で並べ、効果・回数・連絡・返金・資格の言い方を一つに揃える。
結論:契約書で効果を保証しないと書いても、広告と説明が強ければ、そちらが問題になる
コーチングやカウンセリングの広告、プロフィール、面談での説明には、強い言葉が使われがちです。「人生が変わる」「自己肯定感が上がる」「転職に成功する」「収入が増える」「人間関係が楽になる」。一方で、契約書には「成果を保証するものではない」と書く。この二つが同じ事業者から出ていることは、珍しくありません。
問題は、契約書の免責条項が、広告や面談での説明を打ち消してくれるわけではない、という点です。広告の表現が実際の役務よりも著しく優良だと示すものであれば、景品表示法の不当な表示として扱われ得ます。契約の勧誘に際して、重要事項について事実と異なることを告げたり、将来の変動が不確実な事項について断定的な判断を示したりすれば、受講者は契約を取り消すことができる場合があります。契約書に「保証しない」と書いたことは、これらの規制を免れる理由になりません。
つまり、成果の保証の有無は、契約書の一か所だけで決まるのではありません。広告、LP(申込みを促すページ)、面談、メッセージでのやり取り、契約書の全体を通じて、受講者がどのような期待を抱いて契約を結んだのか、そしてその期待が事実に基づいていたのかが見られます。
- 効果の表現は、変化・収入・転職・人間関係・自己肯定感・体験談・数字の類型に分けて、根拠が示せるかを確かめる。
- 景品表示法5条1号は、役務の内容について実際よりも著しく優良であると示す表示を禁じている。根拠を示せない表示は、不実証広告規制の対象にもなる(同法7条2項)。
- 勧誘時の説明が、重要事項についての事実と異なる告知(消費者契約法4条1項1号)や、将来の変動が不確実な事項についての断定的判断の提供(同項2号)に当たれば、契約を取り消され得る。
- 契約書の完全合意条項や免責条項では、取消しの原因になる事実を消せない。
- 体験談や数字は、根拠となる資料を保管し、打消し表示は強調表示の近くに、読める大きさで置く。
このページは、コーチング領域の効果の表現を、類型ごとに契約書の条項と突き合わせることに絞って説明します。契約書の履行の書き方は結果を約束しない契約で約束すること、肩書の表示は名称・肩書、全体の書類の組み立ては全体像のページを参照してください。体験談の掲載の同意や、広告であることの明示に関する規制は、別のガイドで扱います。
コーチング領域に特有の効果表現と、優良誤認になりやすい類型
コーチングやカウンセリングは、効果が目に見えにくく、受講者ごとに結果が大きく異なります。そのため、広告では、受講者の変化を表す言葉で効果を語ることになります。この言葉のなかには、役務の内容や質について、実際よりも著しく優良であると示すものになりやすい類型があります。
景品表示法5条1号は、事業者が、自己の供給する商品または役務の取引について、品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるものを禁じています。ここでいう「表示」は、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品または役務の内容または取引条件について行う広告その他の表示で、内閣総理大臣が指定するものです(同法2条4項)。ウェブサイトの文章、SNSの投稿、LP、パンフレットなどが広く含まれます。
効果表現の類型と、問題になりやすい点(一般的な例)
| 類型 | 表現の例 | 問題になりやすい点 | 根拠を持つための考え方 |
|---|---|---|---|
| 変化の表現 | 「人生が変わる」「毎日が劇的に変わる」 | 変化の程度が測れない。誰にでも当てはまるように読める | どういう変化を指すのかを具体的に書き、受講者の感想として書く場合は、感想であることを明示する。 |
| 収入・事業の成果 | 「月の売上が増える」「収入が倍になる」 | 特定の人の成果を、一般的に得られる結果として示している | 成果を示す場合は、対象となった人数と母数、期間、条件を示す。母数を示せない成果は書かない。 |
| 転職・キャリア | 「転職に成功する」「理想の仕事に出会える」 | 結果を断定する。受講者の事情によって結果が異なる | 断定せず、セッションの内容(棚卸し、方針の整理など)を書く。 |
| 人間関係 | 「家族との関係が改善する」「人付き合いが楽になる」 | 当事者の努力や相手の事情に左右される事項を、結果として示している | 支援の内容として書き、結果の保証と読まれない言い方にする。 |
| 自己肯定感・心の状態 | 「自己肯定感が上がる」「不安がなくなる」 | 測定の根拠がない。医療的な効果と受け取られるおそれがある | 「不安がなくなる」といった断定は避ける。効果の説明に医療的な言葉を使わない。 |
| 体験談・ビフォーアフター | 「受講者の声」「○か月で変わりました」 | 代表的でない成功例だけを選んで掲載している。実際の受講者であることの裏付けがない | 掲載の同意と、事実であることを示す記録を保管する。全体の傾向と異なる場合は、その旨を明記する。 |
| 数字(成功率・満足度・実績) | 「成功率○%」「満足度○%」「受講者○名」 | 調査の方法、対象、期間が示されていない | 数字を出す場合は、集計の方法、対象、期間を示し、資料を保管する。 |
表の右の二列は、広告の文言を直すときの観点として使えます。「表現の例」の列にあるような文言は、広告でよく使われる言い方です。そのこと自体が直ちに違法というわけではありません。景品表示法5条1号は、表示が、実際のものよりも「著しく」優良であると示すものであること、不当に顧客を誘引し、自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあることを要件にしています。要件を満たすかは、表示の内容、見る人の受け止め方、実際の役務の内容を総合して判断されます。
ただし、判断の対象は、広告の個々の文言だけではなく、表示全体から一般消費者が受ける印象です。「個人差があります」といった小さな文言を添えたとしても、強調された部分と打消しの部分の関係が問題になります。打消し表示の置き方は、後の節で扱います。
勧誘時の説明が契約の取消しの原因になる:消費者契約法の整理
広告の規制とは別に、契約を結ぶ際の勧誘の場面で、説明の内容が契約の取消しの原因になることがあります。受講者が消費者(事業としてではなく契約する個人)であるときは、消費者契約法が関わります。
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、重要事項について事実と異なることを告げられ、その内容が事実であると誤認して契約の申込みまたは承諾をしたときは、これを取り消すことができます(消費者契約法4条1項1号)。ここでいう重要事項には、役務の質、用途その他の内容で、消費者の契約を結ぶかどうかの判断に通常影響を及ぼすべきもの、および、対価その他の取引条件で、同様に判断に通常影響を及ぼすべきものが含まれます(同条5項1号・2号)。コーチングの内容、提供者の資格、実績、期間や回数、代金は、重要事項になり得ます。
また、物品、権利、役務その他の契約の目的となるものに関し、将来における価額、将来において消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項について断定的判断を提供し、その内容が確実であると誤認させたときも、取り消すことができます(同項2号)。「このセッションを受ければ収入が必ず増える」「必ず転職に成功する」といった言い方は、この条文が想定している典型に近いものです。
もう一つ、コーチングの場面で注意したいのが、不安をあおる勧誘です。消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、進学、就職、結婚、生計その他の社会生活上の重要な事項や、容姿、体型その他の身体の特徴または状況に関する重要な事項に関する願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、契約の目的となるものがその願望を実現するために必要である旨を告げたときは、取り消すことができます(同条3項5号)。「このセッションを受けないと、望む就職はできない」といった言い方は、この類型に当たる可能性があります。ただし、この規定には、社会生活上の経験が乏しいことと、事業者がその不安を知っていたことなどの要件があり、すべての勧誘に当てはまるわけではありません。
取消権の行使には期間があります。追認をすることができる時から1年間行使しないとき、または契約の締結の時から5年を経過したときは、時効によって消滅します(同法7条1項)。契約を結んでからある程度の期間が経過しても、取消しの主張を受ける可能性があることになります。
勧誘時の言い方と、契約の取消しの関係(一般的な例)
| 勧誘時の言い方 | 検討する条文 | 取消しが問題になる理由 |
|---|---|---|
| 「当社のセッションは、国家資格者が担当します」(実際は資格がない) | 消費者契約法4条1項1号、同条5項1号 | 提供者の資格は、役務の質や内容に関わる重要事項に当たり得る。事実と異なる告知にあたる。 |
| 「受ければ必ず収入が増えます」 | 同法4条1項2号 | 将来において消費者が受け取るべき金額に関する断定的判断の提供に当たり得る。 |
| 「いま決めないと、望む仕事には就けません」(就職への不安に付け込む形) | 同法4条3項5号 | 就職に関する願望の実現への過大な不安をあおる類型に当たり得る。要件を満たすかは事情による。 |
| 「他の人は皆、○か月で変わっています」(実際は少数の例) | 同法4条1項1号、景品表示法5条1号 | 実際と異なる説明であれば、重要事項について事実と異なることを告げる行為や、優良誤認の問題になり得る。 |
| 「契約書には保証しないと書いてあるが、実際は結果が出ます」(口頭の説明) | 同法4条1項1号・2号 | 契約書の記載と異なる口頭の説明が、勧誘の内容として問題になる。 |
契約書の外の説明を、完全合意条項で消せるか
契約書には、完全合意条項と呼ばれる条項がよく置かれています。「本契約は、本契約の対象事項に関する当事者間の完全な合意を構成し、これまでの口頭または書面による合意、提案、説明に優先する」といった内容です。この条項があれば、広告や面談での説明は、契約の内容として扱われないのではないか、という期待があります。
完全合意条項には、契約書に書かれていない事項について、契約の内容としての効力を認めないという意味はあります。しかし、できることとできないことがあります。
第一に、完全合意条項は、取消しの原因になる勧誘時の説明を消すことはできません。消費者契約法4条は、事業者が勧誘に際してした行為を理由に、消費者が契約を取り消せると定めています。契約書の記載が何であれ、勧誘時の事実と異なる告知や断定的判断の提供があったという事実は消えません。契約の成立後に条項で取消権を排除しようとしても、消費者の権利を制限する条項として、消費者契約法10条により無効とされる可能性があります。同条は、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する消費者契約の条項で、民法1条2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効とします。
第二に、広告の規制である景品表示法は、契約書の内容にかかわらず適用されます。表示が実際よりも著しく優良であると示すものかどうかは、契約書とは別に判断されます。
第三に、完全合意条項があっても、契約書に書かれた「成果は保証しない」という記載と、広告の「必ず変わる」という表現の食い違いは、残ります。受講者が、広告の表現を信じて契約を結び、契約書は読まなかった、あるいは細かい条項として読み流したという事情は、勧誘の経緯の事実として重く見られることがあります。
では、契約書の記載にはどのような意味があるのか。契約書に履行の中身を具体的に書き、成果を保証しないことを、広告や面談の説明と同じ言葉で書いておけば、受講者が何を期待して契約を結んだのかという事実が、契約の時点で確認できたことの証拠になります。契約書は、取消しを防ぐ盾ではなく、事前に説明したことの記録です。
書き方の例(一般的な例) 契約書の外の説明と、契約書の書き方
完全合意条項
理由一律に排除する書き方は、取消しの原因を消せないだけでなく、消費者に一方的に不利な条項として扱われる。契約に取り込む事項を明記することで、広告と契約の内容を揃える方向に働く。
成果の非保証
理由保証しないとだけ書くより、広告や面談で説明した内容と一致するように、同じ言葉で履行の中身を書く。
体験談・数字の根拠資料と、打消し表示を置く場所
効果の表現を点検するうえで、実務的に重要なのは、表現の根拠となる資料を持っているかどうかです。
景品表示法は、内閣総理大臣が、事業者のした表示が5条1号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、その事業者に対し、期間を定めて、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができるとしています。事業者が資料を提出しないときは、その表示は5条1号に該当するものとみなされます(同法7条2項)。課徴金納付命令の場面でも、同様に資料の提出を求めることができ、提出しないときは該当する表示と推定されます(同法8条3項)。
課徴金について補足します。5条1号または2号に違反する行為をした事業者に対し、課徴金対象期間に取引をした当該商品または役務の売上額に100分の3を乗じて得た額の課徴金を納付することが命じられます(同法8条1項)。ただし、事業者が表示が優良誤認に当たることを知らず、かつ知らないことにつき相当の注意を怠った者でないと認められるとき、または課徴金の額が150万円未満であるときは、納付を命じることができません(同項ただし書)。この「相当の注意を怠った者でない」という判断において、表示の根拠を日頃から確認していたかどうかが重要になります。
つまり、効果の表現を使うのであれば、その表現を裏付ける資料を、表示の前から用意し、保管しておく必要があります。裏付けのない表現は、そもそも使わないのが基本です。
効果の表現を出す前の確認の順序
- 表現を洗い出すサイト、LP、SNS、パンフレット、面談資料、メッセージのひな形から、効果や成果に関する表現をすべて抜き出します。
- 類型に分ける変化、収入、転職、人間関係、心の状態、体験談、数字に分け、それぞれが何を主張しているかを書きます。
- 根拠を確認する各表現について、裏付けとなる資料(調査結果、受講者の記録、第三者の確認)があるかを確かめます。ないものは、表現を弱めるか、削除します。
- 体験談の事実を確認する掲載する体験談は、実在の受講者のものであること、本人が掲載に同意していること、内容が事実と一致していることを確かめます。
- 打消し表示を置く強調する表現の近くに、条件や個人差、全体の傾向を、読める大きさと色で書きます。
- 契約書と照合する広告の表現が、契約書の履行の条項、成果非保証の条項と食い違っていないかを確かめます。
- 資料を保管する根拠資料、表示の履歴(いつ、どの文言を出したか)、同意の記録を、一定の期間保管します。
この順序は、表示を出す前だけでなく、文言を変更するたびに繰り返します。
打消し表示(「個人差があります」「効果を保証するものではありません」といった記載)については、置き方が問題になります。強調表示と、打消し表示の位置が離れていたり、文字が小さかったり、色が背景に溶け込んでいたり、ページの末尾にだけ書かれていたりすると、一般消費者が打消し表示に気づかず、強調表示の印象だけが残ります。打消し表示は、強調表示のすぐ近くに、強調表示と同程度に見やすく置くことが基本です。打消し表示の置き方についての所管官庁の考え方は、消費者庁が公表する景品表示法の解説資料で、原文を確認する必要があります。
さらに、打消し表示は、強調表示が事実と異なる場合の免罪符にはなりません。たとえば、受講者のごく一部にしか当てはまらない成功例を、大きく取り上げて「誰でも変わる」と示している場合に、小さく「個人差があります」と添えても、全体の印象が誤認を生む表示であれば、問題は解消されません。
広告・LPの表現と、契約書の条項の突合表
最後に、広告やLPの表現と、契約書の条項を並べて突き合わせる方法を示します。広告を点検するとき、広告の文言だけを読んでも、食い違いは見つかりにくいものです。契約書の条項と並べて、同じ事項について、両者が同じことを言っているかを確かめます。
広告の表現と契約書の条項の突合(一般的な例)
| 事項 | 広告・LPの言い方(よくある例) | 契約書の条項(よくある例) | 食い違いの出方 | 整え方 |
|---|---|---|---|---|
| 効果 | 「必ず変わります」 | 「成果を保証しない」 | 広告は保証、契約書は非保証。受講者の期待と契約の内容が食い違う。 | 広告を「変化を支援します」などの履行の表現に直し、契約書の履行の条項と言葉を揃える。 |
| 回数・期間 | 「無制限にサポート」 | 「セッションは合計○回」 | 広告は無制限、契約書は有限。 | 広告に回数と期間を明記する。 |
| 連絡の範囲 | 「いつでも相談できます」 | 「回答は営業日○日以内」 | 広告は即時の対応を期待させる。 | 広告に返信の目安を書く。 |
| 返金 | 「満足できなければ返金」 | 「理由を問わず返金しない」 | 広告は返金あり、契約書は返金なし。 | 返金の条件を、広告と契約書で一つの文言に揃える。 |
| 資格・実績 | 「専門家が担当」 | 「有資格者ではない」 | 広告が資格者であるかのような印象を与える。 | 肩書は名称・肩書のページのとおり、事実のとおりに表示する。 |
| 体験談 | 「○か月で人生が変わりました」 | (記載なし) | 契約書に、体験談の利用に関する条項がない。 | 体験談の利用の同意は、同意書または条項で個別にとる。 |
この突合表は、広告の文言を一つずつ検討する作業を、制度の観点から整理したものです。特に返金の欄は、広告と契約書で結論が逆になりやすい項目です。広告で返金をうたう場合は、その条件を、契約書の返金条項と一つの文言で書くことが必要です。解約と返金の仕分けは解約・返金・苦情を言われたときのページで扱います。
広告を出す前に、自分の運用に当てはめて答えておく問い
問いその表現を、受講者の感想ではなく、事業者としての主張として書いていないか。
理由感想として書く場合と、事業者の主張として書く場合で、根拠の要求の程度が変わる。
問い成果を示す数字や体験談は、母数、期間、条件を説明できるか。資料を保管しているか。
理由根拠の提出を求められたとき、提出できなければ、表示は不当な表示とみなされ得る(景品表示法7条2項)。
問い面談での説明は、広告の内容と一致しているか。担当者が複数の場合、全員が同じ説明をしているか。
理由勧誘時の説明が契約の取消しの原因になり得る(消費者契約法4条)。説明の統一は、広告の統一と並んで重要になる。
問い契約書の完全合意条項は、広告や面談の説明を一律に排除する書き方になっていないか。
理由一律の排除は、取消しの原因を消せず、条項の有効性が問われる。
問い体験談や感想を掲載するとき、本人の同意と、事実であることの裏付けを持っているか。
理由同意と裏付けがなければ、実在しない、または代表的でない体験談として問題になり得る。
起きがちなこと
効果の表現と契約書の食い違いで起きがちなこと
- LPには「人生が変わる」「必ず結果が出る」と書き、契約書には「成果を保証しない」と書いていて、受講者の期待と契約の中身が食い違う。
- 受講者の成功例だけを選んで体験談として掲載し、全体の傾向を示さない。母数や期間を問われても、答えられる資料がない。
- 「個人差があります」と小さく添えたが、強調表示から離れた場所にあり、読み取れない。
- 面談の担当者によって説明が違い、ある担当者は「結果を保証する」と受け取れる言い方をしている。
- 完全合意条項を置いたため、広告や面談での説明は契約に影響しないと考えていたが、勧誘時の説明を理由に契約の取消しを求められた。
- 広告で返金をうたいながら、契約書には返金しない旨が書かれていて、どちらが優先するのかが決まっていない。
- 表示を変更したとき、変更の日付と文言を記録しておらず、過去のどの時期にどの表示が出ていたかが分からない。
よくあるご質問
契約書に「成果を保証しない」と書いてあれば、広告で強い言い方をしてもよいですか?
よくありません。契約書の免責条項は、広告の表現が景品表示法の不当な表示に当たるかどうかとは別に判断されます。また、勧誘時の説明が重要事項について事実と異なる告知や断定的判断の提供に当たれば、消費者契約法により契約が取り消されることもあります。広告、面談、契約書の言い方を揃えることが前提です。
「個人差があります」と書けば、効果の表現は問題になりませんか?
打消し表示を置いても、強調表示の全体の印象が実際と異なるものであれば、問題は解消されません。打消し表示は、強調表示の近くに、同程度に見やすく置くことが基本です。置き方の考え方は、消費者庁が公表する景品表示法の解説資料の原文で確認が必要です。
体験談を広告に載せるとき、何を確認しておくべきですか?
体験談が実在の受講者のものであること、本人が掲載に同意していること、内容が事実と一致していることを確かめます。代表的でない成功例だけを選ぶと、全体の傾向について誤認を生む表示になり得るため、全体の傾向と異なる場合はその旨を明記します。広告であることの明示に関する規制は、別のガイドで扱います。
契約書の完全合意条項で、面談での説明を契約の内容から外すことはできますか?
契約の内容から外す意味はあっても、取消しの原因になる勧誘時の説明を消すことはできません。消費者契約法10条により、消費者の権利を一方的に制限する条項として無効とされることもあります。広告や面談での説明を一律に排除する書き方より、契約に取り込む事項を明記する書き方が適しています。
景品表示法に違反すると、どうなりますか?
内閣総理大臣は、5条の規定に違反する行為があるときは、措置命令を出すことができます(景品表示法7条1項)。優良誤認などの場合には課徴金納付命令の対象にもなり、課徴金の額は、課徴金対象期間の売上額の100分の3とされています(同法8条1項)。表示の根拠を示す資料を提出できないときは、表示が不当なものとみなされます(同法7条2項)。
あわせて読みたいページ
本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、セッションの内容・申込みの経緯・支払の方法などによって異なることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 厚生労働省